諸国風俗問状答の資料案内
江戸からの質問に、土地の暮らしが答える。
門松はどう飾るか。節句をどう迎えるか。屋代弘賢は各地へ質問状を送り、暮らしや行事を調べました。地方から届いた回答を、書き手と場所を確かめながらたどります。
屋代弘賢は1813年、『古今要覧稿』の編集資料を集めるため、各地の風俗や習慣を尋ねる質問状を出しました。国立公文書館の解説によると、質問は年中行事など131項目にわたります。
国立公文書館の『風俗問状答』は、秋田領からの回答。那珂通博を主な執筆者とし、1814年に成立した全5冊です。目録の著者欄には淀川盛品の名もあります。文章を補う彩色図が添えられています。
同館が並べて紹介する『御問状答書』は福山領からの回答で、菅茶山が執筆し、1819年の成立とされます。「諸国風俗問状答」をたどるときは、全国一律の暮らしとして読まず、どの地域の誰の回答かを見ていきます。
今日の祭りとのつながりを考えるには、昔の呼び名、時期、行事の内容を照合する必要があります。秋田の行事を直ちに現在の竿燈の起源とするなど、未確認の系譜はここでは示していません。翻刻・現代語訳の収録は今後の作業です。