江戸名所図会の資料案内
歌に詠まれた土地を、江戸の人はどう見たか。
川や寺社、名物、行き交う人々。『江戸名所図会』は、江戸と近郊の土地を絵と言葉で案内する書物です。土地に重なる昔の歌や物語を、江戸後期のまなざしから読み直します。
斎藤幸雄・幸孝・幸成(月岑)の三代にわたる編集を経て、1834年と1836年に刊行された全7巻20冊の書物です。長谷川雪旦の絵とともに、土地の歴史や名物、寺社などを紹介します。
国文学研究資料館の解説は、多摩川を例に、古歌のなかで知られた「歌枕」が江戸の人にとって訪ねる「名所」になっていく様子を紹介しています。古い言葉と、その後に描かれた風景を行き来する入口になります。
雲亭の『おくのほそ道』も、土地と古い言葉を重ねて読む紀行です。こちらの旅は1689年。図会の刊行より約150年前であり、図会の絵をそのまま芭蕉が見た景色とはできません。
資料集で候補に挙がった「芭蕉庵」「木母寺」「真間」の各項目は、該当する画像位置と本文の校合がこれからです。今回は原典と研究への案内を設け、翻刻・現代語訳はまだ収録していません。
雲亭で読む
関連する資料
- 1689年の旅 おくのほそ道:旅立ち — 芭蕉が深川から旅へ出るところを読む。同じ江戸を考える入口ですが、図会より前の時代です。
- 1834・1836年刊 江戸名所図会 — 江戸と近郊の名所を、来歴や図とともに紹介。原典を開いて、地名や図の見出しを探せます。
- 現在の読み方 国文学研究資料館の解説 — 多摩川を描いた図を手がかりに、古歌の地名と江戸の名所が重なる過程を知る。