雲亭日本古典図書室収録作品の一覧

飯塚の宿

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おくのほそ道 / 松尾芭蕉 / 第19節 / 全56節

五月五日のことである。

本文 現代語訳

五月五日の事なり其夜飯塚にやとる溫泉あれば湯に入て宿をかるに土座に莚を敷てあやしき貧家なり灯もなければゐろりの火かげに寢所をまうけて臥夜に入て雷鳴り雨しきりに降て臥せる上より雨もり蚤蚊にさゝれて眠らず持病さへおこりて消入ばかりになん短夜の空も漸〳〵明れば又旅立ぬ猶夜の名殘こゝろすゝまず馬をかり桑折の驛に出る
五月五日のことである。その夜は飯塚に泊まった。温泉があるので湯に入り、宿を借りると、土間に筵を敷いた粗末な家だった。灯火もなく、囲炉裏の火明かりのそばに寝床を作って横になった。夜になると雷が鳴り、雨が激しく降り、寝ている上から雨漏りがする。蚤や蚊にも刺されて眠れず、持病まで起こって、気を失いそうになった。短い夜の空がようやく明けると、また出発した。夜の苦しさが残って気が進まず、馬を借りて桑折の宿場へ出た。
原文 / 転記元の異文注を整理

五月五日の事なり其夜飯塚にやとる溫泉あれば湯に入て宿をかるに土座に莚を敷てあやしき貧家なり灯もなければゐろりの火かげに寢所をまうけて臥夜に入て雷鳴り雨しきりに降て臥せる上より雨もり蚤蚊にさゝれて(さ一本せトアリ)眠らず持病さへおこりて消入ばかりになん短夜の空も漸〳〵明れば又旅立ぬ猶夜の名殘こゝろすゝまず馬をかり桑折の驛に出る(一本コノるナシ)

AI試訳 / 専門家未校閲