雲亭日本古典図書室収録作品の一覧

笠島

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おくのほそ道 / 松尾芭蕉 / 第20節 / 全56節

これからの道のりはまだ遠い。

本文 現代語訳

遙なる行末をかゝへてかゝる病ひ覺束なしといへど羇旅邊土の行脚捨身無常の觀念道路に死なん是天命なりと氣力聊とり直し路縱橫にふんで伊達の大木戶を越す鐙摺白石の城を過笠島の郡に入れは藤中將實方のつかはいづくの程ならんと人にとへばこれよりはるか右に見ゆる山ぎはの里をみのは笠島といふ道祖神の社かたみの薄今にありとおしゆ
これからの道のりはまだ遠い。このような病気では心もとないが、辺境を歩く旅は、身を捨て無常を思う行脚である。道端で死ぬなら、それも天命だと、少し気力を取り戻した。道をあちこちたどって伊達の大木戸を越え、鐙摺、白石の城を過ぎ、笠島の郡へ入った。藤原実方中将の墓はどこだろうと人に尋ねると、右手の遠い山際に見える里が蓑輪・笠島で、道祖神の社と、実方の形見とされる薄が今もあると教えられた。
このごろのさみだれに道いと惡しく身つかれ侍れはよそながら眺めやりて過ぐる蓑輪かさしまもさみだれの折にふれたりと
このところの長雨で道はひどく悪く、体も疲れているので、遠くから眺めただけで通り過ぎた。蓑輪、笠島という名も、雨の時節に似つかわしいと思い、
笠島はいづこさ月のぬかり道
笠島はどこだろう。この五月雨のぬかるんだ道の先に。
岩沼にやどる
岩沼に泊まった。
原文 / 転記元の異文注を整理

遙なる行末をかゝへてかゝる病ひ覺束なしといへど羇旅邊土の行脚捨身無常の觀念道路に死なん是天命なりと氣力聊とり直し路縱橫にふんで伊達の大木戶を越す鐙摺白石の城を過笠島の郡に入れは藤中將實方のつかはいづくの程ならんと人にとへばこれよりはるか右に見ゆる山ぎはの里をみのは笠島といふ道祖神の社かたみの薄今にありとおしゆ

このごろのさみだれに道いと惡しく身つかれ侍れはよそながら眺めやりて過ぐる蓑輪かさしまもさみだれの折にふれたりと

笠島は(イや)いづこさ月のぬかり道

岩沼にやどる

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